SOMPO Digital Lab のソフトウェアエンジニアの飯村です。
長年テストケース管理に悩まされ、ツールを試しては結局 Excel(スプシ)に戻るという日々を繰り返してきましたが、ようやくその悩みから解き放たれたという話です。
なぜ Zephyr Scale を導入したのか?
プロジェクトを運営していくにあたり、常々以下の4つの課題がありました。
- テストケースをバージョン管理したい
- テストケースの再利用性を高めたい
- 集計に時間をかけたくない
- テストケースとチケットを紐づけたい
これらを解決するためのツールを調査、選定した結果行き着いたのが Zephyr Scale です。 上記 4 つの課題が、Zephyr Scale によってどのように解決されるのかを見ていきたいと思います。
テストケースをバージョン管理したい
スクラム開発ではリリースサイクルを短くし、かつ プロダクトオーナーやビジネス側の意見を反映させるため、仕様の変更も随時取り入れていく必要があります。 テストケースを常に最新の状態に保つ必要があるのはもちろん、テストの変更履歴を持つことで仕様変更の履歴を辿ることができます。
私の場合、とにかく Excel 操作が苦手なので、Excel だと操作ミスで間違った編集をしてしまうことが多々あります。 なので、そもそも Excel を使いたくないというのがあるのですが、テストケース単位で Git のように変更差分がみられるとその心配も減ります。
以下の画像のように、Zephyr Scale ではテストケースをバージョニングでき、かつバージョン間の差分比較もできます。 またテストの実行結果もバージョンごとに管理してくれるのでトレーサビリティもしっかりしています。
テストケースの再利用性を高めたい
テストケースも資産なので、何度も使い回しができないとコスパが悪くなってしまいます。再実行の度に、テストケースをコピーして使うようなやり方は、最も避けたいやり方です。 また、再利用することで、誰がいつ実施したときに NG だったかも把握できることが好ましいです。
Zephyr Scale では、1度作成したテストケースを何度でもチケットに紐づけて実行、もしくは TestCycle にテストケースを追加して実行することができます。
障害対応時には、該当の障害に対するテストケース実行するのに加えて、ソースコードの修正箇所や仕様面から、影響範囲となる箇所のテストケースを紐づけてテスト実行。
機能変更時には、変更箇所のテストケースのバージョンを更新して実施するとともに、変更の影響範囲となる箇所のテストケースだったり、リグレッション目的での周辺機能テストを紐づけてテスト実行。
のようなこともできます。
集計に時間をかけたくない
Excel を使ったような場合、機能単位で Excel のファイルを分けた場合に全機能での集計が難しくなってしまったり、実施期間を絞っての集計が難しい。といった課題がありました。 不具合分析をする度に都度手動で集計すると、作業コストはかなりのものになってしまうので自動でレポーティング機能は是非欲しいところです。
Zephyr Scale では、いくつかのレポートが標準で用意されています。 便利なのは多くのレポートが集計する期間を指定できる点かと思います。 私の場合、各テストケースにラベリングをしているため、どのような種類のテストがどの割合で作成されているか、といったレポートも多用しています。
テストケースとチケットを紐づけたい
私の場合、成果物の認識合わせと進捗管理をする意図で、タスクの完了条件をテストケースの実施完了とすることが多いです。 なので、JIRA のチケットとテストケースが関連していることでより進捗管理がしやすくなります。
再利用の話でもあるのですが、チケットとテストケースが紐づくことで、障害対応や機能変更時にどのようなリグレッションテストを実施したのかも明確にできます。
Zephyr Scale では、テストケースをチケットに紐づけることができているので、該当のタスクに対してのテスト実行がなされているか、どのようなリグレッションテストが実施されているかを簡単に見ることができます。
不具合チケットにテストケースを紐づけることで、レポートからバグ対応状況も掴めますし、バグチケットからテスト証跡を簡単に辿ることもできます。
まとめ
今回は Zephyr Scale を導入した背景と、導入により実現できたことの紹介でした。 次は Zephyr Scale を実際に使った時のテクニックや、工夫しているポイントについても紹介できればと思います。
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